パンだ

ゆるくまったりと好きなことを好きなように

お仕事紹介イベントと牛久のビール

>競馬に関するお仕事に興味をお持ちの方、ちょっと話だけ聞いてみようかな、という方のご参加も大歓迎です。

jra.jp

この”ちょっと話だけ聞いてみようかな、という方”に当てはまったので、太陽の日差しで溶けながらも行ってきましたお仕事紹介イベント@美浦トレーニングセンター。いやまあ正直に言えば、厩務員・JRA競馬学校教官(元JRAジョッキー武士澤教官)・JRA職員(馬取扱技能職)の3名によるトークショーが目当てだったのですが……。武士沢教官のオタクなので……。 

 


これは広報会館で見つけた武士沢教官(元・騎手)

 

まずは美浦トレセンの乗馬苑にて、”乗馬苑職員達による解説付き乗馬披露”を見学。
屋根が無い観覧席で溶けながら開始を待っていると、スタンド横の通路から職員さん達が集まり始める。そのうちの1人が被っているキャップに書かれているBushiRoadの文字。わあ、ぶしざ……武士!? 武士沢!!?? 武士沢教官!?!?!? マジでびっくりした。乗馬苑職員達のなかにまさか武士沢教官も含まれているとは思わず……しかもスタンド最前列に座っていたため、自分の目の前、真正面に武士沢教官。
こんなことあってええんか? そう思いつつ、乗馬少年団の皆さんの常歩駈歩、障害飛越などを見ながら解説に耳を傾ける。乗馬苑や司会役の職員さんも武士沢教官も退屈させない解説で、特に乗馬苑職員さんの「駈歩は歌のおうまはみんなパッパカ走るのパッパカですね」というのが初めて知る内容でびっくりした。心のなかでへえボタン連打した。
武士沢教官は、最初に声が遠いと言われてヘッドセットマイクを調節する場面があったのだけれど、マイク部分を口に近付けたら自分で「食べちゃいそう」と言っていたのが自分の胸キュンポイントをくすぐってきた。
乗馬披露で騎乗していたのは乗馬経験5年ほどの学生さん・生徒さんだったのだけれど、ひとつひとつの合図に反応して騎乗馬に合図を送り、人馬一体という言葉の通り馬に合わせた動きをとり、障害も見事に飛越し、しっかりした騎乗ぶりに胸を打たれた。乗馬経験が無い自分と比べるものではないけれど、自分じゃとても出来ないな、と。

 

乗馬披露の後は、徒歩で広報会館へ。自分と夫は暑さに耐えかねて1秒でも早く屋内に入りたいと急ぎ足だったけれど、ふと後ろを振り向けば、見学の人々に混じって武士沢教官たちも徒歩で場所を移動していた。なんか……余裕そうだった……。すごいな……。

 

広報会館でのトークショーは、ホームページに記載があった通りに馬取扱技能職のJRA職員さん(先ほどの乗馬苑職員さん)、現・競馬学校教官で元・騎手の武士沢教官、厩務員さん(今は現場からは退いていて、福利厚生に関わる専従事務? と仰っていたような)の3名と、JRA職員さんが司会進行を務めるというもの。
まずそれぞれ自己紹介と仕事内容から始まり、やりがいとツラいこと、どうやってその仕事に就くのかを話し、最後に一言があり、トークショー終了後に自由参加の質疑応答という流れだった。

元・騎手で現・競馬学校教官の武士沢教官は、仕事内容を話すときに騎手か教官か迷ったのか、「あ、教官のほうですか」とちょっと笑っていた。教官としてはまだ新人だけれど、と前置きしつつ、競馬学校の騎手課程は3年あるけれど厩務員課程は半年しかない、過酷だがその半年だけで競馬サークルに入ってプロの世界でやっていけるように教えていく、と。あと、公正確保についても教えていかなければ……騎手の問題があったし、耳が痛いですが、とも仰っていた。
前職については「一応騎手やってたんですが」と。幸せな人生だった、1着を取るのが仕事だけれど1人じゃ成り立たない仕事、と話していた。そのときに騎手は「なった人にしかわからない」と言っていたのが印象深かった。なんというか、うん、”なった人にしかわからない”という言葉が武士沢教官から出たことに胸がギュッとなったんだよ……。
前列にはおそらく若い方たちが座っていたから、その方たちに向けて「挑戦してみれば」とも話しかけていた。そういえば武士沢教官はトークショーの中で時折「挑戦してみれば」「無理だとか思わないで、チャレンジしていいかと思う」と一歩踏み出すような、背中を押すような言葉を挟んでいた。あと、競馬学校に話題が移ると、願書や試験はあるけれど、体力・筋力・運動能力が大事という話に。自分、体力・筋力・運動能力どれも無いっすね……と思いながら聞いていた。

トークショー内では、収入・年収の話もあった。親子で参加した方も多かったのか、司会進行の方が、親御さんにとっては収入も気になるところで……と金銭面にも言及。
厩務員さんはピンキリとのこと。武士沢教官にも話が振られたけれど「騎手だと……?」みたいな感じでちょっと苦笑い。クリストフ・ルメール騎手だと3億円とかいってるんじゃないですか、と喋っていたけれど、ルメールだとそれはもう参考にならんのよ()で、ここで武士沢節というか、「でも皆さん税金もありますからね」とねめつけながら一言。そういうところ、好き。これまで感じてきた、いわゆるぶっしーらしさを味わえるひとコマだった。

やりがいやツラいことのとき、いちファンとしてとてもうれしかったのは「ジョッキーらしいジョッキーができた」と話していたこと。厩舎サイドと競走馬を一緒に仕上げていく、調教も踏まえて勝つ、一緒に調教しながら勝ってきた、いわゆる不良もいるけれど走るほうに向いてくるとうれしい、という、これまでのインタビュー等でも話していた武士沢騎手のスタンスを、ご自身が「ジョッキーらしいジョッキー」と表現したことが心を揺さぶってきた。あと、チームで結果を出すことが醍醐味とも話していたなあ。
生き様や生きる道については「勝てないから諦めた、というわけではない」と、勝てないからといって諦められるような、そんな単純なものではないと言いたげなニュアンスを感じて、武士沢教官の意地が少し見えたような気がした。
あと、お仕事紹介イベントだからちゃんとリスクについても話していて、落馬で死んでしまう可能性もある、ときっちり伝えていた。もっと聞きたかったけれど、細かいことを言えばいっぱいあるからこれくらいで……と武士沢教官が締めくくったので叶わず。気になる。

厩務員さんが話していて印象深かったのは、競馬サークルは閉鎖的な面にだけとらわれがちだが、今はオープンに発信するようになってきている、ということ。
たしかに閉鎖的な世界のイメージは拭えないから、足を踏み入れる前に躊躇うこともあるかも、と思ってしまった。もしかしたら内情はいま現在も問題点・改善点の課題が山積しているかもしれない。けれど、夢や希望を持って競馬の世界に入ろうとする人たちに対して、後ろめたいことが少しずつ少しずつでも無くなっていけばいいと思う。まあどの業界にも社会全体にも言えることだけれども。

そういえば、話題が仕事の楽しみになって、今は夏競馬で北は北海道、南は九州まで、美味しいものが食べられるという話に厩務員さんもJRA職員さんも頷いていたけれど、武士沢教官だけ曖昧な笑みを浮かべていたのが気になる。もしかして食べられな……いや……食べてたよね……? スープカレーとか……。

 

ちょっと時間をオーバーしてトークショーが終わり、あとは個別の質疑応答タイムへ。部屋の各隅っこにそれぞれが移動して、参加者は質問したい職種の方のもとに行くというタイプ。同時に、粗品プレゼント有りのWebアンケートもあったので、イスに座ってそれに回答している人も。
自分は武士沢教官のもとに行きたかったけれど、仕事関連で質問したいことが特に思い浮かばず(ミーハーな視点からならいくらでも聞きたいことはある)、他の年若い参加者を優先するべきだという気持ちもあって、イスに座ってWebアンケートの回答を進めていた。
通信制限に苦しめられている夫のWebアンケート回答待ちをしていたら、武士沢教官への列が途切れてフリーになっていて、もしかしてチャンスなのでは? と思ったのだけれど、武士沢教官は立ったまま、自分は座ったまま、あ、なんか、目、合っちゃいましたね……みたいな感じで互いに会釈を交わすだけで終わった。あの一瞬は何だったのだろうか。自分が聞きたい。

 

参加者も少しずつ部屋を後にして残り人数がまばらになったところで、自分たちも退室。ただ、土浦駅までのバスにはまだ時間があったので、1階ロビーで待たせてもらった。途中、夫がお手洗いに行ったとき――


こんなことなら炭酸(Sprite)飲まずに行儀良く背筋伸ばして座っていたのに!!

 

夫がお手洗いから戻ってきたところで、そろそろバス停に移動。駐車場を突っ切ろうとすると、さらに前には職員さんと武士沢教官が……なんか後をつけているみたいで嫌だな~……と思ったものの、夫は特に気にせずスタスタ歩いていくので心臓に毛が生えているのかと思った。やましさを抱えているか否かの違いか。

 

帰りのバスに無事乗車し、土浦駅へ。このまま常磐線に乗って帰る予定だったけれど、ある可能性に気付いてしまって牛久駅で一旦下車。駅から歩くこと約10分、飲むぞ、ビール!!
牛久醸造場、いつか来れたら良いなと思っていたのでうれしい。店内でクラシックとクランベリードリームを飲み、お土産のボトルビールでエンドレスジャーニーとワンダーフォーゲルを購入。
クラシックはこれが美味しいビールだという味わいで、クランベリードリームはデザート感覚で飲んでも良さそうな風味だった。

 

ここでいい感じになった自分、たまたまお祭りがやっていることを知っていたため、牛久醸造場から牛久市役所までハシゴすることを決意。せっかくだから行ってみてもいいんじゃない、と言ってくれる夫の心の広さに感謝。
途中、牛久シャトーの前を通り、ここがかの有名な……! とちょっと興奮した。ショップを覗いてみて、ワインケーキを購入。普段だったらビールも開栓して飲めるのかな? それっぽい話を店員さんとお客さんが交わしていたけれど詳細は分からず。ワインケーキを頬張りつつ、残りを歩いて牛久市役所に到着。
ここでは牛久シャトーのゆめかおりエールと、またもや牛久醸造場のくろねこのタンゴというダークラガーをいただく。
どのビールを飲もうか迷っている間に、夫はもつ煮を調達。日陰で、お祭りの光景を見ながら、一口貰ったもつ煮の塩分が身体に染み渡るのを感じ、美味しいビールで喉を潤す。夏、始まりました。最高。

 

とはいえここは茨城。もうちょっと飲みたいと後ろ髪を引かれつつも、自宅まで何回かの乗り換えをこなさなければならないので、あと思いがけず長居してしまったため(当初は美浦トレセンからまっすぐ帰る予定だった)帰途につくことに。牛久市役所から牛久駅までの道路にも屋台が出ていて、こういうお祭りのなかを歩くのは久しぶりだったかも、と楽しい気持ちになった。

 

……と、もしかしてビールがメインで美浦トレセンはついでか? と思われそうな行程になったけれど、どちらも満喫して、武士沢騎手を応援していて良かった、職業が教官になってもこれからも応援していきたい、と改めて思う一日になった。たとえもしも対外的に本音は隠していたとしても、自身の言葉で自身の口から語るのを聞けるのは、自分にとっては得難い経験だった(台本があるのでは? なんて野暮なツッコミは一旦無しで)