パンだ

ゆるくまったりと好きなことを好きなように

2022/05/25 徒然

「最も勝利に近い敗者」という表現を忘れられないでいる。こんなにも強く記憶に残るのは競馬について記してきた様々なもののなかで一二を争うほどだ。自分は物事をうまくできなかったり、すぐ怠けてしまったり、何にしてもよくできた試しが無くて、負けることは多々あっても勝つことなんかなくて、そもそも勝負事や競うことに対して苦手意識が強くて避けてきた。敗れっぱなしで悔しさより諦めの気持ちのほうがすぐに出てくる。そういう性質も相まってか、最も勝利に近付けたのなら負けても万々歳じゃないか、よくやったほうじゃないか、と思うが、そう思う一方で敗北は敗北でしかなく勝利に最も近付いたところで何の慰めにもならないという考えも頭をよぎる。こういうとき、人間にはやわらかい部分とつめたい部分が同居していると感じる。競馬は己の人間くささを鼻先に突きつけてくる。感情を動かされる。良くも悪くも。