パンだ

ゆるくまったりと好きなことを好きなように

無観客競馬と疲れたヲタク

2020年2月27日、「【!】2月29日(土曜)以降の中央競馬の開催などについて」として当面の間無観客競馬が行なわれることが発表された。ダービー前日の5月30日現在、無観客競馬は6月28日まで実施され、7月4日以降の開催については改めて告知となっている。

 

文献上でしか知り得なかった無観客競馬に最初の頃は「どういうものかな」とそわそわしていたものの、これが数ヶ月続くとそろそろ現地で競馬観たいなーという抑えがたい衝動がふつふつと

 

沸いてる? ほんとに?

 

いや、ね、気付いたんですけど、無観客競馬にまつわる売上だの売店の存続だの競馬新聞や何やかんやは全部全部すっ飛ばして一旦脇に置いといて、自分ひとりの個人的な思いでいうと、無観客競馬って案外快適なのでは……? となってしまっているんですよね。自分でもこんな思いが芽生えるとは思ってなかったからびっくりしてる。

 

推しのメモリアル勝利を現地で観たい、その瞬間に立ち会いたいという欲望に突き動かされるまま開催日全通した自分も今となっては「あの頃はどこかおかしかったのかもしれない」と思うんですが、あの時におそらく「ヲタクは現場に居るもの」だと自他総じて思い込むことになったと思うんです。まあ他人の考えはその人にしか分からないから一旦横に置いておくけれど、少なくとも自分は「推しの勝利の場面をヲタクは現地で見届けているもの」だと思い込んでしまったんですよね。悲しいことに。後で自分の首を絞めることになって、しんどくなるとは知らずに。

 

 

 

……ってここまで書いて「ナシ! こんなことブログでもぶちまけるのナシ! 正しいヲタクじゃないし全然健やかじゃない」と下書き保存に葬った(葬ってない)のを発掘した。5月30日現在とあるからその時に書いたものと思われる。

 

なんだろうな、このとき、疲れていたのかな。

 

「ヲタクは現場に居るもの」と思い込んでいた自分が、競馬場に足を運んで観戦するのがしんどくなった理由は2つある。対ヒトが原因のものと、自分の感情に起因するものと。

 

前者は自分について言及した、とあるツイートを見たことで、その人がいる空間に自分もいることがだいぶ辛くなってしまった。競馬場って広いからたった1人とそうそうニアミスすることないんじゃない? と思いたいんですが、案外そうでもない。それが辛い。意外と、思ったよりも、予想以上に、ニアミスする。

もう関係の無い人だから気にしなくていいはずだけれど、自分は嫌なことを引きずってしまうタイプで、その人物を視界に入れると過去のそれを思い出してウウッとなってしまうダメな人間だから、そうするともう「好きなものを観に行くのに嫌な気持ちになるならもう行かなくていいか、自分が好きなことをするのを我慢すれば嫌な気持ちから逃げられるし」って考えてしまう。そして足が遠ざかる。

「もうちょっとあの人相手にうまく立ち回れていたらなあ」と思うことはあるけれど、過ぎたことは過ぎたことで、覆水盆に返らずというし、もうしょうがないと諦めるしかない。けれど、諦めきれないのが推しを見たいという欲ですよ。は~~~! つら~~~!

 

後者はうまい落とし所が見つかっていない。だって! 「家にいたい」という自分の感情 vs. 「現地に行きたい」という自分の感情だから!

 

300勝メモリアルを見届けたい&ここまで現地で見たなら残りも見届けようと全通するまでは、自分が行っていないときに大穴をあけるなんてザラで、それを持ちネタのようにしていたところがあったけれど、全通した後は勝ったときに現地に居ないことがすごく悪いことのような気がしていて。

「今日は家でのんびりしたい」のも、「推しの勝利を現地で観たい」のも、どっちも自分の正直な感情で、でもそれは自分の感情では両立しても実際にはどちらか1つにしか行動に移せないことで矛盾というか、ジレンマがあって、苦しかった。(「家でのんびりなんてしていられない! 推しがいるところに我は行く! だって好きだもん会いに行けるときに会いに行かなくっちゃ!」というタイプの人だと「何言ってるんだコイツは? 馬鹿か?」って見えるんだろうけれど……こういう怠惰な人間もいるんですね。ここに)

 

でも、今の無観客開催って観客は等しく「行けない」状態だから、現地に行っていない自分を自分で否定しなくていい。なんで今日推しが勝ったのに自分は家で休んでいるんだろう、行けば良かったけれど今日はゆっくりしたかったんだよな、行かないって決めたの自分だからどうにもならない、と鬱々としなくていいんですよ。あと、行っていないからそりゃそうなんだけど、現地にいるときの精神的しんどさが全然無い。これ、当然ながらすごく気が楽。自分にとっては。

 

いつだかこんなツイートもしたけれど、未だに折り合いついていないのが自分で情けないんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

……そう! 好きにしろってだけ。本当は。でも、好きにしたところで厄介なことに自分の感情はどうにもうまく収まってくれなくて後悔してしまう。

現地で見たいのも、今日は現地に行かずのんびり休みたいのも、もし勝って「現地に来て良かったー!」ってなるのも「なんで行ってなかったんだクソッ!」ってなるのも全部自分だから、結局自分との闘い。原因が対ヒトにあっても、どこにあっても。

 

これから先、もしかしたら自分が病気になるかもしれないし、金銭的に苦しくなるかもしれないし、自分が原因じゃなくても外的要因で競馬場に行きたいときに行ける環境じゃなくなるかもしれない。家族とか、仕事とか、そういう諸々で。

 

今の状況はいつかどこかで落ち着くか受け入れるかで、きっと競馬場に観客が入場できる日が来ると思う。そう願っている。ボートレース浜名湖は6月8日からサービス制限がありながら営業再開すると5日に告知している。遠くないか、もっとずっと後かはわからないけれど、競馬場もいつかそうなるだろう。

 

そのとき、自分はどうなるか。どう思うか。

現時点だと観客入れて開催となってもしばらくは様子見でネット投票とグリーンチャンネルWebで競馬を楽しむ方向でいこうと思っているけれど、きっとその時現地に行っている人をTwitterで見かけて「行けば良かった」と思うはず。そう思ったとき、また鬱々とするのか、よそはよそうちはうちと割り切れるのか。

 

わからないけれど、「ヲタクは現場に居るもの」と思い込んでいる自分とうまいこと折り合いをつけていてほしいと思う。ガキじゃないんだからね。頼むぞちょっと先の自分。

 

 

 

Twitterを辞めればまるっと解決するのは知ってる。

あと、行くことに重きを置くなよ、自分。