パンだ

ゆるくまったりと好きなことを好きなように

いつか訪れてしまう推しの引退に向けて心構えをしておこうという話

蛯名正義調教師の騎手引退を記念した日本酒が発売され、完売した事実は騎手ヲタ(※とりあえず騎手ヲタと言ってはいるが騎手に限ったことではない)に向けて1つの道筋を示したことになるだろう。これから引退する騎手は記念として酒を私たちの鼻先に突きつけてくるかもしれない。クオカードなどではない。酒である。

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いま現在の自分の推し――武士沢友治騎手にも、遠い未来の話であってほしいが、いつかは引退の日がやってくるだろう。始まりがあれば終わりもあるのが世の理だ。まだまだ騎手としての姿を見ていたいし騎手を続けてくれると信じてはいるが、心の片隅では来たるべきその日に向けて覚悟を決めておかねばならない。そして、覚悟を決めるのであれば、……いやでもちょっと待って、待って待って、ねえ待って、武士沢騎手、引退記念の何かをすると思う? BushiRoadキャップが存在する(下記リンク先の記事写真参照)から可能性はゼロではないが、何かをしないことも十分に考えられる。

www.sponichi.co.jp

あらゆる可能性に対して心構えをしておく必要はある。もしも「引退記念の何かをしない」となった時、引退記念酒に向けて月々の微々たる給料から捻出していた私のこのへそくり貯金はどうすればいいのだろうか。

 

無ければ作る。

それがオタクってやつだろうよ……。

 

武士沢騎手がどんなアルコールを好むのか詳しくは知らないが、サラブレ2015年10月号掲載の『ジョッキーの肖像』第49回で武士沢騎手が取り上げられたときのQ&Aに酒に関する記述があるので参考にしたい。

Q 好きな食べ物とお酒は?

A 麺類はなんでも好きです。最近も焼きそばを食べたし、ラーメンもよく食べます。お酒は何でも飲みます。まずはビールで乾杯して、あとは何でも飲むんだけど、二杯目もビールを飲むと、その日はずっとビールになることが多いですね。

ビールを飲むことはわかったので、引退記念酒の選択肢にビールを入れる。あとは、日本酒、焼酎、ウイスキー、ワイン……とりあえずご本人が飲むことがわかったビールと、蛯名調教師の前例があるから日本酒、この2つに絞ってみる。

 

さて次はビールもしくは日本酒の作り方、というところで酒税法が「やぁ!」と現れるのが日本だ。無免許での自家醸造は禁止されている。今から酒造りの道にという胆力を持ち合わせていない軟弱者ゆえ、何か他の手を考えなければならない。あの蛯名調教師の勝鞍記念酒も蛯名調教師自身で作ったわけではないのだ。何か手はあるはずだ……夢馬。その時だった。職人・西田雄一郎が脳裏をよぎったのは。
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僕らには醸造体験があるじゃないか。

 

い、いや……あるか……? 醸造……体験するものじゃなくないか……? 理性が「いや無いって」と冷静にツッコミを入れるが、大人の社会科見学やモノよりコト消費が流行ったことがあるのだから、醸造体験もどこかで行なっているはず。イメージ先行で言えば日本酒は厳しそうだが、とりあえずググってみる。せっかくだから武士沢騎手に縁のありそうな、といっても武士沢騎手の縁なんて知るはずもないので、美浦トレセンがある茨城県と出身地の青森県に目星をつけてみる。

  • Be Easy Brewing:青森市内でAomori Brew Pubをオープンし、2021年夏からクラフトビール醸造を行なっているようだ。ホームページに「私たちと一緒に、クラフトビール造りを体験することもできます」と記載がある。
  • 木内酒造合資会社:あの有名な常陸野ネストビール。手作りビール工房があるが、昨今の情勢により一時休業中だ。あゝ神よ!

日本酒醸造体験は過去に開催されていたもの等でヒットしたページもあったが、やはり毎年というわけではなさそうだ。そりゃそうだ。日本酒に関しては酒米田んぼオーナー制度に参加したほうがハードルが若干低めだが当初の趣旨とは異なってくるから、棚田をはじめとした環境保全に関してはまた別の機会に考えることにする。

 

前述した2つだと、木内酒造のほうがプランが確立されているようだ。プランが確立というか、料金体系がホームページに載っているというのが有り難い。自分はビール造りの相場がさっぱり分からないので。
手造りビール工房のパンフレットを見てみると、330ml瓶45本コースから予約できるようだ。土日祝31,200円~・平日は28,100円~だから大丈夫、これくらいの予算ならいける(神田万世橋店の麦汁造り体験も良さそうだけれどもちょっと金額に怖気づいてしまった)(へそくり貯金の存在意義とは)副材料も自分自身で持っていけば使用できるみたいだから、事前に相談してみるのも良さそうだ。そしてオリジナルビールのラベルは自分でデザインできて、ラベル用紙にプリントして一緒に送ってくれるとのこと。パワーポイントクオリティでも良いかな!?

 

方針は定まった。木内酒造手造りビール工房が再開することを祈る。そして、らしさが出るビールをイメージしておこう。納期だが、アルコール度数によって異なり、たとえばアルコール度数5%だと最短約4週間後のようだ。引退が発表されてから作りに行って引退式で今までの感謝の思いとともに渡し……いや……間に合わないな……?

 

ここまで調べておきながら大事なことが抜けていたが、手造りビールを330ml瓶45本用意して、その後自分はどうしたいのか。本人に渡したいのか? 手造りビールを? あなたのこれまでの騎手人生を、途中からではあったけれども応援できて良かったです、ありがとうございました、と感謝を込めて作ったビールを渡すのか……? 蛯名調教師の引退記念酒にインスピレーションを得て作りました、と……?

 

……やがて訪れてしまうその日までの議題としておこう。

 

その日がまだまだ先であることを願いつつ。

 

追記:愛知の蓬莱泉(関谷醸造株式会社)でお酒のオーダーメイドができるらしい。現在は2021年9月~2022年5月までの仕込み予約を受付中のようだ。