パンだ

ゆるくまったりと好きなことを好きなように

応援幕、好き?

競馬場のパドックに張ってある色とりどりの応援幕。「好き?」と問われたら自分は即答する。「大好き!」と。声を掛けられない代わりに、応援しているよ、がんばってね、という気持ちが込められたその1枚1枚はどれも尊く輝いて見える。個性が溢れる応援幕を見るのは競馬場に行く日の楽しみでもあった。

 

これまでに自分が作った応援幕は3枚。武士沢友治騎手(同デザイン×2枚)と、キタサンミカヅキf:id:hrcoo75:20210514164543j:plainf:id:hrcoo75:20210514164603j:plain
武士沢騎手の1枚(後者の300勝達成サイン入りの方)は応援幕やビッグフラッグを製作している会社に発注したが、他は手作り。手作りといっても手芸が得意ではないからアクリル絵の具やアイロン接着テープのお世話になった。

 

初めて作った応援幕は、最初失敗してめげていたが、その少し後に2013年の天皇賞・秋にレインスティックが繰り上がりで出走できるとわかったことがきっかけだった。いま思えば、ダークシャドウが調教中に側溝にはまって負傷してしまって、水曜日に秋天回避が発表されたのだったか、そこから作り始めてよく間に合ったものだ。これが火事場の馬鹿力か。

 

応援幕を手作りしたときの手順を備忘録代わりに書き留めておく。

まずはデータ作成。応援幕は大きさが縦1m×横3mを超えるもの、光る・反射する・紙・音が出るものは掲示が許可されないなどいくつか注意事項があるから注意する。当時のこの写真を見ると、よくペイントで作ったな……と思うが、当時アイデア出しに協力してくれた人がペイントで作っていたのかもしれない(覚えていない)f:id:hrcoo75:20210512213015j:plain

別案。戸田博文厩舎か?f:id:hrcoo75:20210512213342p:plain

 

その後、作成したデザイン案を印刷。このときはA4に印刷して、切り貼りして応援幕原寸大になるように繋ぎ合わせた。f:id:hrcoo75:20210513222543j:plain
(よく見ると刀の鍔がずれている……)f:id:hrcoo75:20210513222547j:plain
完成まで辿り着いたバージョンの応援幕とは少しフォントが違う。f:id:hrcoo75:20210513222552j:plain

布の四辺の処理。縦90cm×横180cmの応援幕を作りたかったから、各辺10cmプラスして、縦110cm×横200cmほどの大きさの布をユザワヤで購入(10cmは一辺の補強分で、5cm幅で2回山折りするため)。布地はキャンバス生地とか帆布とかだったと思う。

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端の補強はミシンで縫うほうが良さそうだったけれど、ミシンが無かったからアイロンで接着できる両面テープを使用。たしか下のような感じのテープだったと思う。5cm幅にテープ幅1.5cmだから、その幅の上下に貼ったような……。

バイリーン アイロン両面接着テープ MF 15mm×25m
 

 

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片方の短辺・長辺を処理して、型紙(?)を合わせてみる。f:id:hrcoo75:20210513222606j:plainf:id:hrcoo75:20210513222613j:plain
四辺処理し終わったところ。

 

武士沢騎手の応援幕は白地だったから、型紙を布の下に敷いて鉛筆でなぞっていく方式にした。紙と布の端マスキングテープ、あとはマチ針で適当に留めておく。f:id:hrcoo75:20210513222617j:plain
何も考えずにマチ針で留めるとこういうことになる。f:id:hrcoo75:20210513222621j:plain

鉛筆でなぞり終わったら、その上からマスキングテープを貼っていく。線からはみ出さないように塗れるのであればマスキングテープは要らないと思うけれど、そんな器用なことはできないのだ……。f:id:hrcoo75:20210513222625j:plain

マスキングテープを貼り終わったら、鉛筆の線に沿ってカッターナイフで切れ目を入れてマスキングテープだけを剥がしていく。布まで切ってしまいそうで怖くなる作業。f:id:hrcoo75:20210513222630j:plain

めちゃくちゃ肩凝るやつ。曲線\( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーーッ!f:id:hrcoo75:20210513222634j:plain

できた。f:id:hrcoo75:20210513222639j:plain

 

あとは着色。アクリル絵の具をちょっとだけ水で溶いて、色ムラが無いように塗っていく。
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……おや!? 応援幕のようすが……!f:id:hrcoo75:20210513222656j:plain

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アクリル絵の具を溶く水の量が多いと布に滲んでえらい目に遭う。学んだ。白いアクリル絵の具でどうにかリカバリーできないか足掻いたけれどダメだった。これが武士沢騎手の応援幕の幻の1枚目。当然ながらボツになった。

この後にレインスティックの秋天出走が決まり、急いで布を買い直してまたイチからやり直した。フォントもちょっと変わった。f:id:hrcoo75:20210513222702j:plain

応援幕に欠かせない紐は、自分はハトメを取り付ける方法にした。縫い付けるやり方もあるけれど、何せ裁縫が苦手なので。ハトメを取り付けるには布に穴を開ける必要があるのだけれど、角の部分は布が重なっていて厄介だった。穴を開ける道具が売っているらしいから、それを使っても良いのかもしれない。自分はカッターナイフで地味に進めた。f:id:hrcoo75:20210513222706j:plain

あと、ハトメを取り付けるときの悩みが音。トンカチで叩いて金属製のハトメを変形させて固定するのだけれど叩くときの音が響いてしまう。賃貸の集合住宅みたいに、階下に知らない他人がいる状況だとどうすればいいものか……。

ハトメ完了。縦90cm×横180cmの応援幕で、ハトメは上下4ヶ所ずつの計8ヶ所に取り付けた。f:id:hrcoo75:20210513222710j:plain

紐も通す。紐の長さは1本120cmにした。端はほつれないように玉結びにしたけれど、ビニールテープを巻いたほうが良い。玉結びにしてしまうと、東京競馬場パドック柵の隙間という隙間に挟まり、引っ掛かり、外せなくなり、色々な人の力を借りることになる。めちゃくちゃ焦る。f:id:hrcoo75:20210513222714j:plain

最後にアクリル絵の具を圧着させるのと、シワを取るためにアイロンがけ。

こうして見たら分かってしまうけれど、縦90cm×横180cmとか言っておきながら全然違う大きさになった。縦が短い。しかし当の本人はちゃんと作れたと思い込んでいたからしばらく縦90cm×横180cmで掲示申請していたのだった……。

 

次はキタサンミカヅキの応援幕。キタサンミカヅキがまだ中央所属だったとき、2016年のカペラステークス合わせで作成した。f:id:hrcoo75:20210514115131j:plain

今度は黒のキャンパス生地だから、布の上に型紙を載せて、間にチャコペーパーを挟んで文字の輪郭をなぞる方法で転写した。

チャコペーパー チャコパー片面 大 70x28 [22] F4-2
 

こんな感じ。なぜ水で消しているのか……? 何か失敗したっけ?f:id:hrcoo75:20210514155937j:plain

キタサンミカヅキの応援幕はマスキングテープを使わなかったらしい。布地が濃い色だとアクリル絵の具を一度塗っただけだと透けてしまうから二度塗りでしっかり色がでるようにした。f:id:hrcoo75:20210514115136j:plainf:id:hrcoo75:20210514115139j:plain

二度塗り後。f:id:hrcoo75:20210514115143j:plain

黒地に茶色の文字だと視認性が良くないように思えたから、馬名は白いアクリル絵の具で縁取りした。近くで見るとガタガタでも大丈夫、近くで見ないから。f:id:hrcoo75:20210514115148j:plain

キタサンミカヅキは紐を茶色にした。勝負服とおそろい。四辺の処理は5cm幅で一度山折りにするだけにした。二度折りだとハトメの取り付けが大変だったから……。サイズは縦90cm×横45cmの縦長にしたから、ハトメは角の4ヶ所のみ。

 

しばらく競馬場に足を運んでいないし、パドックの応援幕の掲示も無くなっているけれど、また応援幕作りたいなーとぼんやり考えている。武士沢騎手の応援幕……機動戦士ブシザワ……? いや機動戦士ブシザワって何だよ。色々まずい気がする。

 

そういえば、今も応援幕を掲示できる状況だったら、あの某ソシャゲの影響で応援幕界隈の様相も一変していたのだろうか。「○○産駒応援!」みたいな内容ならその産駒が出走するなら応援幕掲示OKじゃなかったっけ……?