パンだ

ゆるくまったりと好きなことを好きなように

日帰り三戸

去る3月のある日、もっと詳しく言えばこれまでいちばんと言っても過言ではないほど応援していた騎手――武士沢友治騎手が引退した翌週、自分は東北新幹線に揺られて北を目指していた。行く先は青森県。2021年にTwitter(現X)のDMでいただいた某番組に武士沢騎手の名前が書かれた神前幕が映っていたという情報を確かめるためだった。

 

当初の予定はひとり旅だったが、念のため夫に「武士沢騎手が奉納品を見に行くけど一緒に三戸まで行く?」と尋ねたところ、「行く」と答えが返ってきて、「じゃあ1泊しようか」と提案したが「日帰りでいいんじゃん?」と。これにより日帰り三戸ひとり旅から、日帰り三戸ふたり旅になった。出発前夜に分かったことだが、夫は青森県まで行くと認識していなかった。いやいやちゃんと三戸町言うたが?

 

今回は行きも帰りも八戸駅

武士沢騎手が神前幕を奉納したらしいお堂について自分の中ではいただいたDMとその番組からの情報しか持ち合わせておらず、本当は10年に一度の御開帳に合わせて参拝するつもりだった。だが、ふと思い出してインターネットやXでお堂について検索していたら、番組に映っていた堂守の方はお亡くなりになっていて、現在管理されている方はご高齢と書かれているのを見つけた。……次の御開帳はおそらく2030年……、……、……のんびりしている場合じゃねえ! ということでとりあえず行くことにした。

 

とはいえ青森県まで足を伸ばして空振りになる可能性は低くしたい。ので、とりあえずインターネットとXとInstagramで検索……したのだけれどほぼほぼ分からない。何時から何時まで見られるのか、何曜日に開いていて閉まっているのはいつなのか、いきなり訪ねて大丈夫なのか。ほとんどが不明。となると頼みの綱は現地にしかなく、お堂なら文化財だろうから教育委員会か、それか広報もしくは観光関係か……という流れは長くなるので省略する。

 

八戸駅東北新幹線から青い森鉄道に乗り換えて三戸駅で下車。三戸駅に着いたとき、ここに来るのも4回目だ、前回来たのは転職活動で面接だったなあ、としみじみしてしまった。競馬場が無い地域で、繰り返し何回も来たのは三戸町ぐらいしかないはず。

お堂に向かうには少し時間が早かったので、いったん道の駅さんのへに路線バスで向かう。りんごを買って発送したいと思ったのだけれど、レジの方にここから発送するより自分で梱包して郵便局などから送ったほうが料金的に良いと教えてもらい、考え直すことに。

三戸ジョミサイダー&えごままんじゅう

三戸町ホームページにまだ載っていない2月と3月の広報紙も読みたかったけれど見つけられず、時間もまだ少しあったため、図書館に徒歩で移動。図書館で広報紙を読んだり複写をお願いしたりしていると、タクシーの予約時間になったので乗車。

ここでびっくりしたのが運転手さんの「普通のタクシーじゃ登れないから四駆で来た」という発言。色々問い合わせたとき「徒歩? 絶対に無理です!」と言われ、そのときは長時間歩くことになるからだと思っていたのだけれど、だんだんそうじゃないという雰囲気を感じてきた。お堂に向かいながら運転手さんが「なんでこんな時期に来るんだろうって社内で話になったんですよ」と言ったことでそれはほぼ確信に変わり、お堂への一本道に入ったときに現実が見えた。

 

雪と落石と路面凍結と

山道。曲がりくねった山道。まだまだまだまだ残っている雪。路面は未舗装で、日が当たらない場所は路面が凍結。たまにタイヤが滑る音。道路脇にはこれ上から落ちてきましたよねと思われる石。ガードレールが無い部分はすぐそこ崖。

 

道中は、何も分かってなくてこんな時に来てしまって申し訳無いと運転手さんに謝りながら、無事に行って帰ってこれますようにと祈ることしかできなかった。そうこうして20分ぐらい山道を登って目的地に到着すると、管理している方がすでにお堂を開けてくださっていた。

ドキドキしながらお堂に足を踏み入れる。

 

 

あっ、あったーーー!!

 

年月日を見てみると、平成14年9月吉日と書いてある。ということは2002年に奉納したのか。自分はてっきり三戸町に寄付をしたとき(2013年)だと思っていたから、2002年は何のタイミングなのかと少し疑問が湧いた。親御さんと連名だからまあ何かしらがあったのだろう。分かる方がいらっしゃったら教えてください。

 

帰りもハラハラしながら山道を下り、三戸駅で降車。降りた後にタクシーの側面を見るとかなりの泥はねがあって、運転手さんに頭が下がる思いだった。もっと暖かくなって雪が溶けた頃に来るべきだった……。でも早いほうが良いと思ってしまったんだ……。

複写した広報紙を読んだりしていると八戸行きの青い森鉄道が来たので乗車し、八戸駅へ戻る。新幹線の時間まで2時間ほどあってどうしようかと悩んだけれど、八食センター行きのバスがあったからそれに乗り、お寿司を食べることにした。お昼ご飯食べてなかったからラッキー。バスでまた八戸駅へ戻り、日本酒の有料試飲を楽しみ、帰路についた。

 

今回の三戸町での収穫は、やはり神前幕と、あと広報紙。競馬学校入学前の「友治君を励ます会」で花束を受け取っている写真が表紙になっていた広報紙。ありがとう図書館。ありがとう複写サービス。ありがとう三戸町

学ラン似おうてはるよ……